副会長を楽しんでいます!

大阪弁護士会副会長 嶋 津 裕 介

友新会の先生方、平素は、大阪弁護士会の活動にご協力賜り、誠にありがとうございます。

4月の就任から早4カ月が経過しました。もっと早くにこのホームページでご報告させていただくべきところ、夏休みの宿題かのように今、執筆しているところで、お詫び申し上げます。自身の担当分野を中心に、長くなってしまいましたが、ご一読いただけると幸いです。

4月1日、「悩まんと 頼りにしてや 弁護士を “ひとりやない”」のスローガンのもと、福田健次会長率いる執行部は出立しました。身近で頼りがいのある弁護士、弁護士会を目指しての船出でした。

今思えば、4月はなかなか大変でした。日中は裁判所や検察庁、マスコミ、行政、他士業各会、政党などの挨拶回り、のみならず、担当委員会の第1回委員会に出席しつつ、毎週木曜日夜の副会長会と、その週明け月曜日午前の正副会長会に備えなければなりませんでした。前年度執行部からの引継ぎ案件もあって、私は、そもそも議案上程やその説明に慣れておらず、ご迷惑をお掛けしていたように思います。最近、できるだけポイントを説明するようにしており、徐々には慣れてきました。全般的に6月の大阪弁護士会定期総会が終わったあたりから落ち着いてきました。

もうひとつ4月に忙しかった原因が、5月14日の憲法週間記念行事「コロナと憲法」を担当したためでした。パネリストの大林啓吾・慶応義塾大学教授は、昨年度友新会のシンポに出ていただいた曽我部真裕教授からご紹介いただき、俳優で作家の中江有里さんには事務所に飛び込みでメールを送って参加交渉をし、3月末までに参加の内諾をいただいていました。4月に入ってからも、憲法問題特別委員会副委員長の中平史先生含め、各パネリストと打ち合わせをしたり、シナリオを書いたり、チラシのチェックをしたり、とにかくやることが多かった。なぜか進行役まですることになり、人前に出るのが案外嫌いではない私ですが、結構きつかった。でも、シンポ自体は大変有意義で、勉強になり、今となっては早くも良い思い出となっています。あのころはコロナが収まりつつあったので、振り返りの議論のような印象を受けていましたが、第7波の最中の今、あの時の議論に基づいて物事を考えることができているように思います。

死亡、疾病等で業務が実施できなくなった会員の依頼者に、新たな弁護士を紹介する「業務引受弁護士制度」の担当であることも4月に忙しかった原因でした。依頼者数の多い案件があって、その対応に苦慮していましたが、何といっても、前副会長の松岡伸晃先生に助けていただきましたし、昨年度幹事長としてご指導いただいた宮島繁成先生にも無理をお願いして引受支援弁護士になっていただきました。山川良知先生にも引き続きお世話になっております。これからも件数増加が予想されることから、幹事長の川村和久先生に、友新会から、業務引受弁護士の更なる人選をお願いし、多くの先生をご推薦いただきました。お引き受けいただきました先生方、本当にありがとうございます。

さらに私の担当では、10月1日から任期の綱紀委員のご推薦もお願いしました。綱紀案件は感覚的には増えているように思います。ご内諾いただいた先生方、迅速な処理のため多大なご負担をおかけいたしますが、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

お願いで思い出すと、新規登録弁護士研修の未履修者対策として、3月の大阪弁護士会臨時総会にて同研修の履修が法律相談等用名簿の登録要件となり、令和6年3月までに施行されるのですが、その履修促進のために副幹事長、横手章教先生に特別委嘱委員になっていただいています。未履修者は未だ多い状況です。該当の先生方は早めの履修をお願いいたします。

同じく担当する研修センター運営委員会の関係で、8月1日、「懲戒事例から学ぶ弁護士のメンタルヘルス・アンガーマネジメント研修」にてパネリストとして参加させていただきました。昨年の選考委員会「候補者の意見を聞く会」でも申し上げましたが、私は約10年前、メンタル不安に陥ったことがあり、その時の体験と工夫をお話させていただきました。同じ悩みを抱える会員に少しでも参考になればという思いでした。受講された先生方からは参考になったというご感想もいただきました。今後、eラーニングとしても掲載されるので、ぜひご視聴いただければと思います。

広報室で取り組んでいるのは、新しいマスコットキャラクターの公募です。弁護士会をもっと身近に感じていただくためのアイコンとして募集しています。10月末までの募集ですが、今、結構続々と応募が来ています。審査委員には外部の方にも参加をお願いしています。どなたが審査員かは、おってご報告させていただきます。

子どもの権利委員会や、法教育委員会では友新会の先生方が主要メンバーとしてご活躍されており、敬服するばかりです。自分自身も担当として楽しませていただいています。

司法修習委員会でも友新会の先生方が副委員長や指導弁護士としてご尽力いただいています。コロナ禍における閉講式後の懇親会の持ち方は大変苦慮しました。第4班では、コーヒー・紅茶だけサーブして、修習生からスピーチをしていただきました。

9月17日(土)午後2時より同3時30分まで、「谷間世代への一律給付実現 全国リレー集会 in 近畿」が大阪弁護士会館とZoomウェビナーで開催されます。一律給付実現を国会議員にアピールする大事な機会です。皆様、ぜひご参加をお願いします。

厚生・会員サポート委員会では、新人弁護士グループ別勉強会を8日程実施しましたが、途中で、コロナの感染拡大により飲食店での懇親会を取りやめたことが非常に残念です。別の機会を設けなければならないと委員会の先生方とご相談しています。

懲戒委員会担当として、今までに2回、会長による懲戒言渡しに立ち会いました。うち1回は加えて司法記者クラブで記者会見を開かなければなりませんでした。大変残念なことで、そうならないようにするためにできることは何なのか考える毎日です。

法七十二条等問題委員会においても、友新会の先生方にご活躍いただいており、いくつかの重要な決定をいただいています。

日弁連との関係では、6月10日の定期総会で、弁護士情報セキュリティ規程が審議可決されました。「弁護士等は、その職務を行うに当たり、取扱情報の種類、性質等に応じた情報セキュリティに対する危険を把握するよう努めなければならない。」(第3条第1項)とされ、「弁護士等は、前項の規定により把握した危険を踏まえ、所属する法律事務所等の規模及び業務の種類、態様等に応じて、取扱情報の情報セキュリティを確保するための基本的な取扱方法を定めなければならない。」(第3条第2項)とされています。施行は成立の日から起算して2年を超えない範囲内において理事会が定める日からとされています。「基本的な取扱方法」のモデルは、今後、日弁連より提供されることになっています。当会においても、どうすれば実効的な研修を実施することができるか鋭意検討しているところです。

離婚後の共同親権等を内容とする「家族法制の見直し案に関する中間試案のたたき台(修正版)」に対する日弁連の意見書、また「民事執行・民事保全・倒産及び家事事件等に関する手続(IT化関係)の見直しに関する中間試案(案)」に対する日弁連の意見書のそれぞれについて、当会としての意見集約をすべく、極めてタイトなスケジュールななか、関連委員会の先生方にご尽力をいただいています。

折り返し地点ももうすぐです。福田会長には「歴代最も話しかけやすい会長」を自称されているだけあって、私達も何でも相談しています。会長が日弁連に行かれて不在時にも上田憲筆頭副会長が取りまとめ役となり、副会長同士非常に仲もよく、大変和気あいあいとしています。業務は忙しいですが、本当に楽しんでやっています。副会長は個性や考え方が大いに違っていて、副会長会、正副会長会では活発に議論をしています。最終、会長のご判断となることも多いですが、一致点を見出していくプロセスに知的好奇心も大いにかきたてられています。これからも自分に与えられたミッションを、会長のリーダーシップのもと、副会長同士協力して、できる限りの力で取り組んでまいります。

今後ともなにとぞご指導、ご鞭撻のほどお願い申しあげます。

以上