三木秀夫の大弁会長・日弁副会長レポート

大弁会長・日弁副会長 三 木 秀 夫

1 はじめに

4月に大阪弁護士会会長、日弁連副会長に就任して、あっという間に3ヶ月半が過ぎました。「まかせとき 弁護士の力 全ての街に 全ての人に」というキャッチフレーズのもと、7名の副会長とともに、全力で会務運営に当たっています。

友新会推薦の山岸副会長は、他の副会長との連携をしながら、非常に精力的に活動をしてくれていて、頼もしく思っています。

大阪弁護士会では、これを書いている7月15日までには、7回の常議員会と幹事長会、毎週月曜日の正副会長会等の日常業務をこなしつつ、この間、会長声明を10件、会長談話を1件、意見書を1件発出しました。6月16日には、日弁連の定期総会が大阪弁護士会館で開かれ、そのホスト役を務めました。同月27日には当会の定期総会も無事に終えることができました。

日弁連の副会長を兼務しているので、週の前半は大阪にいても、週の後半はほぼ東京での生活をしています。

2 会長声明等

主な会長声明としては、大阪のIRに関してその整備計画認定に関しての声明を皮切りに、「大阪空港公害訴訟事件に係る団藤重光元裁判官の指摘を踏まえ、改めて司法権の独立の徹底を求める会長声明」、「袴田事件の速やかな再審公判の開始及び袴田巌氏に対する無罪判決を求める会長声明」、「大崎事件の即時抗告棄却決定に抗議する会長声明」、「トランスジェンダーの会員弁護士に対する差別的言辞を以ての殺害予告を強く非難する会長声明」、「入管法改定法案の成立に強く抗議する会長声明」等があります。会長声明は、即時性を大事にして、できるだけ早く出すように心がけてきました。その点で、関係委員会や担当副会長には大変にご苦労をおかけしています。

3 行事など

行事関係については、憲法週間記念シンポジウムとして「離婚後の親子に関する制度のあり方を考える」と題して2回にわたって実施しました。その他、日弁連再審法改正全国キャラバン企画「ドラマ『エルピス』×刑事再審法改正 えん罪救済のこれから―?正しさの基準とは―」の開催、近弁連主催による入管法改悪反対パレードの実施、憲法改正国民投票法と緊急事態条項に関するアクションプログラムの市民講座の開催等、多数の行事を実施してきたところです。7月には、えん罪の悲劇を繰り返さないために、全事件・全過程取調べの可視化と取調べへの弁護人立会い実現に向けて開催した「ノーモアえん罪!「おはよう朝日です」岩本計介アナと考える かしかとたちあいの未来」を開きました。私は東北弁連大会のために秋田に出向いていたので、ビデオメッセージでご挨拶だけしましたが、岩本アナ、村木厚子さん、袴田巌氏のお姉様などが登場して多くの市民の方々の参加を得ることができました。これ以外にも多くの事業が担当委員会の努力で実施され、また企画されてきており、感謝しているところです。

4 改革

女性会員の役員就任を促進するための取組にも積極的に取り組んできました。とりわけ、役員業務の効率化を図るべく、4月の挨拶訪問先の合理化、副会長会の前倒し開催、電子決裁やリモート接続の積極的活用、役員会計の見直し、土曜当番・午前当番の柔軟な運用、常議員会の定時終了に向けた効率化の取組等には、副会長とともに就任当初から着手し、実行してきました。この点は、6月に開催した女性会員の意見を聴く会で報告をしたところ、大いに評価を得ることができました。この改革は、さらに進めていきたいと思っています。

5 広報

広報関係もいろいろと工夫をしていただきながら進めています。入管法改定法案の成立に強く抗議する会長声明の際には、成立日にYouTube動画でも抗議を発信しました。これについては日弁連の小林会長からもお褒めの言葉を頂きました。広報室はこれを皮切りに、さまざまなニュース性のある出来事へのYouTube動画発信に力を尽くしてくれています。

当会の公式キャラクターであるリーガリューについては、生みの親から引き継いだ今年は、育ての親になるべく、着ぐるみを登場させました。最初のお披露目は、ちょうど6月16日の大阪弁護士会館で開かれた日弁連定期総会の入口付近に出没して、全国から来た日弁連の会員に対しては大いに人気を博しました。

6 日弁連関係について

私は、日弁連では、死刑廃止対策本部、LAC関係、ADR関係等を主に担当しています。正副会長会議は毎週開かれ、理事会も月に一度、2日間にわたって開催されるので、先に書きましたように、週の前半は大阪にいても、週の後半はほぼ東京での生活をしています。

担当の死刑廃止対策に関しては、2016年の福井での第59回人権擁護大会において、「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」を表明し、昨年11月には、「死刑制度の廃止に伴う代替刑の制度設計に関する提言」を取りまとめ、内閣総理大臣、法務大臣、両議院議長宛てに提出しています。今年度においても、担当副会長として、国会議員などへのロビー活動をはじめ、各団体との連携など、精力的に活動をしています。

今年度の小林元治会長が率いる日弁連執行部は、これ以外にも様々な課題に取り組んでいます。とりわけ再審法改正、刑事弁護におけるオンライン接見、国選弁護報酬の引上げ、民事法律扶助の拡充等に力を注いでいるところです。特に再審法改正は、死刑囚であった袴田巖氏の再審が開始され、その改正の必要性への世論の高まりもあって、大きな運動になってきています。

7 最後に

これからも頑張って、最後まで走りきりますので、皆様方のさらなるご支援をお願いいたします。

以上