治安維持法の改正

このような日本の方向を内部的に維持し国民の不満を押さえる法制度の中心をなした治安維持法は昭和3(1928)年緊急勅令という形で「改正」された。「結社の目的遂行の為にする行為」(目的遂行罪)を新設すると共に、国体変革を目的とする結社を組織した者、指導者に対しては死刑を科すことができることになった。

同年4月には特別高等警察課(特高)が設置され、思想係検事も設けられた。

議会で唯一人、治安維持法改正緊急勅令承諾案に反対した山本宣治は、演説をした当日白色テロにあい刺殺された。

このような治安維持法の強化(憲法で定めた立法権に反するような改正の経過も含め)に対し、友新会はもちろん大阪弁護士会も特に意思を表明した痕跡はないようである。

しかし、個々の弁護士は、その後治安維持法事犯の弁護等を通じて抗議の意思を表明していたともいえよう。