第6回 日弁連に新たな立法対策組織

大阪弁護士会 副会長 藤原 誠

[ニュース]

(日弁連に新たな立法対策組織)

日弁連は、立法対策組織として、日弁連立法対策センター及び立法対策室を設置することを決めました。この組織を設置する理由は、これまでの日弁連の活動は意見書提出型であり、その後の立法化に向けた活動の多くは、担当委員会に任せる型のものでした。しかし、全ての委員会において同レベルの活動を期待することはできず、また委員会以外のルートで会員から立法提案がなされたときにこれを受け止める必要があります。さらに従前の委員会や会員の立法活動を、日弁連としても蓄積し、別途の立法活動にそのノウハウを活かす方策を考える必要性があります。

そこで、新組織に期待される具体的な機能としては、1立法企画・情報収集機能、2立法のための運動企画・実行機能、3法制局的機能があり、1、2を担う組織として、立法対策センターを設け、3を担う組織として、立法対策室を設けることとしました。立法対策センターは組織的には特別委員会として、委員数30名以内とし、立法対策室は当面嘱託2名程度とし、一人を室長とします。

当面の立法課題としては、民事では団体訴権、クラスアクション、懲罰的損害賠償をセットした法整備(集合的権利保護・損害賠償制度として)、提訴手数料の低・定額化等、商事では上場企業のコンプライアンス部門への弁護士の配置を法定化等、税務では弁護士法人への課税上の優遇措置等、弁護士業務では権利保護保険における偶然性の要件緩和等、刑事では刑事訴訟開示記録の副本交付の義務化等です。

ご期待下さい。

[今日この頃]

―23条照会ー

副会長のルーティンの仕事のうちでとりわけ重要な仕事は、23条照会の決済です。

当会の23条照会の件数は、平成19年度は1万5823件です。東京三会、愛知県弁護士会より断然多い件数です。照会のうち、不起訴処分となった交通事故の実況見分調書の閲覧謄写及び外国人登録事項に関する照会は、事務局限りで処理していますが、その割合は約25%です。残りの約75%の約1万2000件は、10名の嘱託弁護士が毎日一人ずつ交代で審査していますが、決済権限はなく、その後さらに全件について副会長全員が分担してチェックし、最終決済を行っています。この処理に全副会長が午前中に30分から1時間程度の時間を費やしています。

私の事務所は、23条照会をよく利用していました。しかし、副会長がこんなに多くの23条照会を審査していたとは全く知りませんでした。そうであれば、もっと少なくしておけばよかったと反省しています。就任早々の4月、5月は、処理になれておらず、問題にぶつかる都度、照会のマニュアルにあたって判断していました。最近は少し慣れましたが、23条照会の審査に必死で取り組んでいる毎日です。

以上