第8回 予備試験

大阪弁護士会 副会長 藤原 誠

[ニュース]

(予備試験)

新司法試験の受験資格を与える予備試験の検討が行われています。予備試験とは、法科大学院課程の修了者と同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定することを目的とする試験です。短答式、論文による筆記、口述の方法で段階的に試験を行い、これに合格すれば法科大学院を修了していなくとも新司法試験を受験することができます。

受験資格に制限はありません。実施は平成23年からで、概ね旧試験と同じスケジュールになると予想されます。試験科目は、短答式が、憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法及び一般教養科目で、論文式は短答式の科目以外に法律実務基礎科目(法曹倫理・法情報調査・法文書作成・要件事実と事実認定の基礎・ローヤリング・模擬裁判・クリニック・エクスターンシップ)で、口述試験は法律実務基礎科目です。

受験回数は、予備試験合格の日から5年以内に3回に限り新司法試験を受験できます。

問題の合格者数については未定ですが、規制改革会議における2007年6月22日の閣議決定があります。この閣議決定は「予備試験合格者数については、事後的には、資格試験としての予備試験のあるべき運用に配意しながら、予備試験合格者に占める本試験合格者の割合と法科大学院修了者に占める本試験合格者との割合とを均衡させるとともに、予備試験合格者が法科大学院を修了する者と比べて、本試験受験の機会において不利に扱われないことのないようにする等の総合的考慮を行う」こととしています。つまり、割合の均衡については閣議決定されていることが重要な点です。

[今日この頃]

―交流会―

大阪弁護士会の理事者は他の単位会の理事者と交流会を設けて、情報交換を行うとともに懇親を深めています。現在大阪と交流会を設けている他の単位会は、東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会・愛知県弁護士会、広島弁護士会・福岡県弁護士会、ソウル地方弁護士会です。二弁・愛知、広島・福岡は大阪を含めて三会での交流会となります。今年はすでに一弁、東弁との交流会を行いました。

交流会は、通常土曜日の午後からテーマを決めて意見交換を行い、夜は懇親会となります。翌日はゴルフをすることが多いです。今年のテーマとしては、裁判員裁判に対する準備状況や継続研修などが多いです。他の単位会での問題意識がわかり、大変参考になります。懇親会では、他の単位会の特徴がわかり、大変興味深いです。

また海外の弁護士会との交流会としては、ソウル地方弁護士会があります。毎年交互に訪問を行っており、今年は10月12日から14日にかけてソウルを訪問します。今年のテーマは取調べの可視化と研修の義務化です。韓国はすでに取調べの可視化を実現しています。日本での実現についておおいに参考になるのではないかと期待しています。

以上