第13回 改正検察審査会法について

大阪弁護士会 副会長 藤原 誠

[ニュース]

(改正検察審査会法について)

検察審査会法は、2004(平成16)年に大きく改正され、来年の2009(平成21)年5月21日施行されます。弁護士も指定弁護士や審査補助員として検察審査会に関わることになります。改正点の主なものを紹介します。

まず、検察審査会の議決には、不起訴処分を不当とする意見として、起訴相当議決と不起訴不当議決がありますが、起訴を積極的に求める起訴相当議決のみに法的拘束力を付与しました。法的拘束力が付与される起訴相当議決は、第1段階の起訴相当議決ではなく、第2段階の起訴相当議決(法文上、第1段階の議決は「起訴を相当とする議決」、法的拘束力が付与される第2段階の議決は「起訴議決」とされている)としました。

そして、法的拘束力のある起訴議決後の公訴提起及びその維持に当たるのは、裁判所より指定された弁護士(指定弁護士)とされました。

また検察官の不起訴処分の当否を審査するに当たり、検察審査会は、必要と認めるときは、弁護士のうちから、審査補助員を委嘱することができるとされました。さらに、法的拘束力ある起訴相当の議決を行う第2段階の審査においては、審査補助員を委嘱しなければならないとされました。

職務の継続性等の観点からすれば、審査補助員に委嘱された弁護士が、そのまま指定弁護士として指定されることが望ましい場合もあると考えられます。

弁護士会としては、適切に職務を遂行できる弁護士を推薦する必要があり、そのために一定の研修も必要です。

検察審査会の数については、改正前の旧第1条ただし書きでは、検察審査会の数は200を下ってはならず、かつ、各地方裁判所の管轄区域内に少なくともその一を置かなければならないとされていました。しかし現状の検察審査会の配置のアンバランスが顕著であることから、下限の定めが撤廃されました。したがって、検察審査会が置かれなくなる地域と、大阪のように従来2であったものが4となる地域もできることになりました。

[今日この頃]

―法規室との関係ー

法規室も理事者と緊密な関係にあります。法規室は、会則上、会長の指示に基づき、会則、会規、規則等の制定及び改廃に関し、調査及び検討を行うとなっています。組織としては、嘱託若干人を置き、嘱託は常議員会の議を経て会長が委嘱し、嘱託の中から室長1人を会長が指名することになっています。

理事者は、日弁連の会規会則の変更により単位会の会規会則を改正しなければならない場合(例えば、今回の日弁連臨時総会の議案である懲戒処分歴の開示)、担当委員会が新しい事業を行う場合、新しい制度が施行される場合(例えば、国選被害者参加弁護士制度) などに、大阪弁護士会の会規会則や規則を新設や改正する必要があります。このような場合には、理事者や委員会である程度の条文の作成は行うのですが、最終的には法規室に見て頂く必要があります。

法規室は、開催日時が決まっているのではなく、議題がある都度に開催されます。私の経験した住宅紛争審査会の関係では、延べ12時間の討議を経て、会則が改正されました。その際に担当理事者として立会いましたが、条文作成能力は特別な能力であると感じるとともに、私には到底及びもつかない世界があることを知りました。

これまで室長は比嘉廉丈さんが長く務めて来られましたが、今年度から岩本安昭さんが務めておられます。

法規室の方々には今後もよろしくお願い致します。

以上