第18回 家事審判・調停における子どもの代理人制度

大阪弁護士会 副会長 藤原 誠

[ニュース]

(家事審判・調停における子どもの代理人制度)

平成21年1月5日付けで日弁連から各単位会に「家事審判・調停における子どもの代理人制度創設に関する提言(案)について」の意見照会がありました。提言(案)によりますと、児童の権利条約12条は子どもの意見表明権を規定しています。これは、子どもが自らの養育環境を含む法律上利害関係ある事項について意見を述べる権利を保障したもので、各締約国には意見表明権を制度的に保障することが義務づけられています。親権者の指定・変更、面接交渉など監護権に関する紛争は子どもの利益に直接関わる問題であり、司法上の決定手続の中でその意見を聴取される機会が与えられなければなりません。現行法では、①手続当事者である親を通じて意見表明する方法のほかに、②利害関係人として手続参加する方法(家事審判規則14条)がありますが、他に運用上認められる方法として、③満15歳以上の子についてはこの監護者の指定その他子の監護に関する審判において裁判所に対し直接意見を述べる方法(同規則54条)と、④裁判所の職権調査(同規則7条)の中で家庭裁判所調査官に対し意見を述べる方法が行われています。

しかし、①は自らの利益により手続を追行する親に子の意思を代弁することは期待できず、②も親がわざわざ特別代理人を選任して手続参加を望むとは考えにくく、③も15歳未満の子については適用されないし、調停段階での適用もなく、④も家庭裁判所調査官による調査自体があくまで裁判所の裁量によるもので、意見表明が必ずしも保障されているものではないとの問題点があります。

そこで、創設すべき子どもの代理人制度として、次のようなものが提言されています。

① 適用範囲は、子の監護に関する処分・親権者の指定、変更・親権喪失申立事件・児童福祉法28条措置の承認について審判手続に限らず、調停手続においても付すことができるものとする。
② 選任の手続・要件は、前記の事件において、子の福祉のため必要と認めるときに、裁判所によって選任されるものとし、つぎの場合には選任を必要的とする。
ⅰ 子と法定代理人との著しい利益相反
ⅱ 子の福祉に対する危険を理由とする処置で、家庭からの子の引き離し又は親権・監護権の剥奪を伴う事件
ⅲ 監護者、父母の一方の配偶者、交流権者からの引渡の事件
③ 資格は弁護士を選定する。
④ 報酬は、原則として当事者の負担とし、同規則11条と同様に国庫で立て替えるが、家庭裁判所は予納させることもできる。

この意見照会については、日弁連の委員会でも賛成と反対とがあります。特に両性の平等に関する委員会は、代理人を弁護士に限定することや費用の予納について問題があるとして、反対しています。

[今日この頃]

-資料の整理-

担当委員会に出席すると毎回委員会資料をもらいます。法72条問題委員会などは非弁調査の資料が大部なので、すぐにファイルが一杯になります。これ以外にも副として担当している委員会の開催通知や議事録が資料として配布されます。この整理が大変です。以前に書きましたように、役員秘書の方は副会長の資料の整理はしません。会長の資料の整理は役員秘書の方が整理しています。私はある程度書類がたまった段階で一斉にファイルに編綴する作業をします。これが結構時間がかかります。

ファイルを収納するロッカーは、理事者ごとに大きなロッカーが約2本ずつ割り当てられています。しかし私と大川副会長は少し少なく、1本半ではないかと思います。

資料の整理で気がついた一番重要なことは、あまり関係のないと感じた資料や一読するだけでいい資料は、直ちに廃棄することです。副会長の机の下には廃棄用のダンボール箱が置いてあり、その中に必要のない資料を入れることになっています。ある程度たまってくると、秘書の方が回収して、業者に出して溶解してもらうことになっています。

任期が終わる3月には手元に残す資料と廃棄する資料の整理が必要です。どの程度時間がかかるか今から心配しています。

以上