第17回 弁護士と外国法事務弁護士の「混合法人」の設置について

大阪弁護士会 副会長 藤原 誠

[ニュース]

(弁護士と外国法事務弁護士の「混合法人」の設置について)

平成20年5月29日に日弁連と法務省が共同で、「外国弁護士制度研究会」(以下、研究会という)を設置しました。研究会では、外国法事務弁護士事務所等の法人化の許否及びこれに関連する事項を検討することとされています。具体的には、①外国法事務弁護士が社員となり、外国法に関する法律事務のみを取扱い業務とする法人制度(いわゆる外国法事務弁護士事務所の法人化)②弁護士及び外国法事務弁護士が社員となり、外国法及び日本法に関する法律事務を取扱い業務とする法人制度(いわゆる外国法共同事業の法人化)が検討対象です。

このうちの②が表題の混合法人のことです。混合法人制度について検討するべき問題と点としては、ⅰ混合法人の必要性、利点、弊害・・・混合法人を認めることが利用者、国民にとって、また弁護士及び外国法事務弁護士にとってどのような必要性・利点があるのか、ⅱ国際パートナーシップとの関係・・・国際パートナーシップ(弁護士が外国法事務弁護士以外の外国の弁護士資格者とパートナーシップを組み、そのようなパートナーシップが日本において法律事務の提供主体となること)は、非資格者との収益分配・事件の有償紹介となることから、現行法制では認められていません。国際パートナーシップについては米国等からこれを認めるべきであるとの意見が寄せられています。混合法人を認めることにより、実質的に国際パートナーシップを認めることになるのではないかと言われています。ⅲ専門職法人制度としての弁護士法人制度への影響・・・弁護士法人制度は法律事務を弁護士に限っている弁護士法の例外として、社員がすべて弁護士であることを条件に法人に法律事務を認める制度です。法人の社員が弁護士以外の者でよいとすることはこの基本的な考え方に変容をもたらす可能性があります。ⅳ弁護士法72条への影響・・・混合法人を認めることは、弁護士以外の者が社員となっている法人の法律事務を取り扱うことを認めることになり、弁護士法72条に大きな変容をもたらしうることになります。

混合法人については、研究会で今年の夏ごろまでに議論され、今年の10月頃には立法化の目途をつけたいとのことです。

[今日この頃]

-司法記者クラブとの交流-

弁護士会と司法記者クラブとの交流はかなり活発です。毎月1回司法記者クラブとの懇談会を行っています。昼食時に弁当を食べる昼食会と、午後3時からコーヒーを飲みながらのコーヒーブレイクとを交互に行います。時間は1時間です。話題については、そのときに話題となっている事項を取り上げますが、和田副会長が広報委員会と相談しながら決定します。昨年の12月は、裁判員裁判における法廷通訳について行いました。実際に通訳業務を行っている方にお越しいただき、現状と問題点を述べていただき、その後に司法記者の方々からご意見をいただきました。

定例の懇談会以外にも、就任早々に懇親会や夏にビアブレーク、そして新年早々に新年会を行っています。

私は、マスコミの方とお付き合いするのは初めてです。また私の担当している分野は常議員会や総会などの総務がほとんどであり、あまり記者の方からの取材はありません。したがって私が副会長の中で、最もマスコミと接点のない一人と言えます。ただ、私も委員会をいくつか担当していますので、それらに関連した取材の申込はあります。しかし、一番実務に精通している方は委員会の委員長や副委員長でありますので、取材への対応はほとんどこれらの方々にお願いしております。

ところで、副会長になって、いろいろとマスコミ用語を勉強しました。「投げ込み」と「記者レク」の違いや「頭取り」とはどのようなものかを知りました。

今後も司法記者の方々とは良好な関係を維持したいと考えております。

以上