第9弾!! 会員に対するサポートシステムの構築

大阪弁護士会副会長 今川 忠(34期)

1 「サポートシステムの構築」という耳慣れない話をします。サポートシステムとは、 簡単に言うと、悩める弁護士の何でも相談窓口ということです。


2 なぜ、このようなサポートシステムの構築を検討しているかについてお話します。

(1) 弁護士会の会員相互の希薄化現象
本年度に法曹(弁護士・裁判官・検察官)になる司法修習生は約2500名です。
この内、約9割強は弁護士になります。大阪で登録する弁護士は、2006年で約150名弱にのぼり、今後も増加することが予想されます。今大阪弁護士会の会員数は約3060名で、私が大阪弁護士会に登録した25年前の会員数は1603名でした。私が登録した頃は、会員数も少なく、困ったことがあれば、誰にでも相談できるような状況でした。まさに、弁護士の顔が見える状況だったのです。
しかし、今、若い弁護士の話を聞くと、業務のことで悩んだりしていても、なかなか同期の弁護士にさえ相談できなくなっているようです。ましてや、経験豊富な先輩弁護士に相談できることなどなくなっているのではないでしょうか。例えば、新聞報道によると、兵庫県弁護士会の会員の事務員が事件の相手方から金槌で殴られたという事件がありました。ここまでいかなくとも、弁護士に対する業務妨害で悩んでいる弁護士もいるのではないでしょうか。このようなことを含め業務上色々なことに関して悩みを持っている弁護士の相談窓口になろうというのが、サポートシステムです。
(2) 不祥事に対する予防
一般的に、悪い芽はできるだけ早く摘むべきであるといわれています。そのような視点からも、「サポートシステム」とは、悩みを抱えた弁護士がいれば、ここに相談して、できるだけ早期に悩みを解決してもらおうという試みです。このように早期に悩みの解決ができれば、不祥事はより少なくなると考えます。

3 検討

今、大阪弁護士会では、より良い「サポートシステム」を構築したいということで、プロジェクトチームを立ち上げ検討中です。そして、できるだけ早く「サポートシステム」を構築したいと考えています。

以上