第21弾!! 憲法について考える

大阪弁護士会副会長 今川 忠(34期)

1 シンポジウムの開催

大阪弁護士会では、2007年10月12日(金)午後6時30分から、大阪弁護士会館2階にて、憲法について考えるシンポジウムを開催します。このシンポジウムは、大勢の市民の方々に参加していただき、具体的な事実を通して、憲法について考えていただきたいというものです。

テーマは、「イラクから見た日本」で、綿井健陽(わたい・たけはる)氏に講演をしていただき、その後、綿井氏を交えた意見交換をします。綿井氏の略歴は以下のとおりで、このシンポジウムは憲法を考える上で有意義なものになると思います。多くの市民の方々や弁護士が参加されることを期待しています。

(綿井氏の略歴)

1971年大阪府出身。97年よりジャーナリスト活動、米国同時多発テロ事件後アフガニスタンなどを取材。2003年~2004年にかけては空爆下のバクダッドやサマワから中継リポートを行う。ドキュメンタリー映画「Little Birds~イラク 戦火の家族たち」は2005年「ロカル国際映画祭」人権部門・最優秀賞を受賞。著書に「リトルバーズ 戦火のバクダッドから」(晶文社)など。


2 身近に感じる憲法

憲法は私達の身近な問題です。たとえば、今回の総理大臣の指名も憲法に従って決まっていることがわかります。衆議院で福田康夫氏が指名され、参議院で小沢一郎氏が指名されましたが、最終的には、憲法第67条に「内閣総理大臣の指名に関する衆議院の優越」の定めがありますので、福田康夫氏が総理大臣となりました。

これは、ほんの一例ですが、自衛隊と憲法9条の問題などは、政治的な問題となりがちですが、憲法の解釈やその限界をめぐる問題です。


3 今回のシンポジウムを通じて憲法を考えよう

昨年から憲法の改正論議が活発化しています。憲法問題について論じる際には、根底には理念の問題もありましょうが、理念の域に入るとどうしても空中戦になりがちです。つまり、ある理念を主張する者がその欲するものを現実であるとして議論しがちな傾向にあるとの指摘があります。

現実を通して憲法を考える必要があるのではないでしょうか。このシンポジウムは、このような機会を皆様方に与えるものであると考えています。

大阪弁護士会では憲法問題特別委員会において約3年にわたり、専門家による憲法の連続講義を通して会員間で意見交換を行ってきました。この連続講義は、既に、16回を数え、今後も続けていきます。

今後は、現実を通して憲法を考えるという視点から、市民の方々を対象とした連続シンポ等に拡大し、憲法について市民の方々とともに考えていく必要があると思います。

以上