第18弾!! 弁護士から裁判官になる(弁護士任官)

大阪弁護士会副会長 今川 忠(34期)

1 誰による判決を受けたいですか

皆さん、弁護士から裁判官になった人に裁判を受けたいと思いませんか。弁護士は、依頼者の方々の利益のために一生懸命仕事をしています。そういう意味では、依頼者の方々が何を考え、何に悩んでいるか一番良く分かっているのです。判決を受ける当事者の思いや痛みが分かっている人から判決を受ける方が納得感があると思いませんか。


2 弁護士任官

今、日弁連では、弁護士から裁判官になる人を一人でも多く出そうと活動しています。これを弁護士任官と呼んでいます。この弁護士任官によって裁判官になった弁護士は、今までに約80名強います。

特に、ご存知のとおり、2009年度からは裁判員裁判制度が始まります。裁判員裁判において、裁判員の方とともに考え判決をする裁判官が望まれているのではないでしょうか。まさに、弁護士任官によって裁判官になった弁護士こそ、裁判員裁判制度下における裁判官に最もふさわしいと考えます。


3 非常勤裁判官制度

耳慣れない言葉だとは思いますが、非常勤裁判官制度は2002年度から発足しています。この非常勤裁判官制度とは、弁護士をしながら裁判官をするという制度です。この制度が弁護士任官と決定的に異なるのは、弁護士任官が弁護士を辞めて裁判官にならなければならないのに対し、弁護士と裁判官の二足の草鞋をはけるということです。既に、全国で116名の非常勤裁判官が活躍しています。非常勤裁判官は、家事調停事件、簡裁や地裁の調停事件を担当し、週1回、裁判官の仕事をするのです。


4 非常勤裁判官から弁護士任官へ

非常勤裁判官制度の目的の一つとして、弁護士任官への架け橋という目的があります。非常勤裁判官を経験しながら、「裁判所ってこんな所やったんや。」とか「裁判官の生活ってこんな風に過ぎるんや。」と感じ、「私も裁判官になってみよ。」と決意し、裁判官になるという制度です。

弁護士の皆さん、非常勤裁判官を経験してみましょう。その上で、当事者の気持ちが分かり、当事者の納得のいく裁判手続をする裁判官になりましょう。


5 9月15日に弁護士任官について考える近弁連ブロック大会があります

日弁連主催で近弁連ブロック大会が下記のとおり開催されます。弁護士任官した裁判官の方に数多く出席いただいております。弁護士任官した裁判官の方々から経験に裏打ちされたことを本音で語ってもらいます。

是非多くの方の参加をお願いします。

・開催日時2007年9月15日午後1時30分
・開催場所大阪弁護士会館2階
・内  容大阪から弁護士任官した永吉孝夫裁判官、浅井隆彦裁判官、神戸から弁護士任官した工藤涼二裁判官が出席され、各々の経験に基づき、いかに弁護士任官が意義深く、面白いものであるかについてお話していただけます。
さらに、本年10月1日から弁護士任官によって裁判官になられる奈良弁護士会の会員も出席されます。

以上