大阪弁護士会副会長 今川 忠(34期)
1 インターネット法律相談って何?
これは、法律相談を受けたい人がインターネット上に登録している複数の弁護士の情報を見て、その中から弁護士を選びインターネットを介して法律相談をする仕組みです。
法律相談を受けたい人の立場から考えると便利な仕組みです。つまり、相談者は、わざわざ法律事務所まで出向く必要がありませんし、複数の弁護士から自分にあった弁護士を選択して法律相談できるという意味で便利です。
2 何故、インターネット法律相談に関する規則を制定したのか?
大阪弁護士会(以下、「当会」という)は、インターネット法律相談について、インターネット法律相談事業関与規則を制定しました。この規則では、弁護士又は弁護士法人以外の者が行うインターネット法律相談の事業を規律しています。
このような規則を制定したのは、弁護士法72条を守り、法律問題を抱えた人に対し、弁護士による正当な法的サービスを供給するためです。
弁護士法72条は、「弁護士でない者が報酬を得る目的で訴訟・示談交渉・法律相談等の法律事務を取り扱ったり、これらの周旋をすることを業とすることができない」と規定しています。この法律の趣旨は、弁護士資格のない者が自らの利益のために他人の法律事務に介入することにより、法律問題を抱えた人が弁護士の正当な法的サービスを受けられないことによって被る不利益を防ぐものです。
3 インターネット法律相談事業関与規則の内容
この規則は、2007年11月21日から施行されます。
インターネット法律相談を利用される方々、この事業に登録済の弁護士又は登録しようとしている弁護士は、インターネット法律相談事業関与規則の内容をご理解頂き、ご利用いただければと思います。
この規則では、弁護士又は弁護士法人以外の者が行うインターネット法律相談の事業に登録しようとする当会の弁護士は、一定の事項を定めた契約を当該事業者と締結し、当会に対し、所定の事項を届出しなければなりません。この届出は、既にインターネット法律相談の事業に登録している会員も必要です。また、規則に違反した会員は、大阪弁護士会から違反行為の排除等を命じられますし、被害発生防止のために特に必要があるとき等は、当該命令の内容や理由が公表されます。
ところで、契約に定める一定の事項には色々なものがありますが、その概略は下記のとおりです。仮に登録した弁護士がインターネット法律相談事業者にお金を支払う場合でも、広告の対価を超えるようなお金を支払うことはできません。
以上