2018.01.23 UP

味吉兆・ぶんぶ庵にて

池田 猛(63期)

「和食、日本の伝統的な食文化」(以下、「和食」といいます。)は、平成25年12月にユネスコの無形文化遺産に登録されました。

その際に評価された和食の特徴としては、(1)多様で新鮮な食材と素材の味わいを活用、(2)バランスがよく健康的な食生活、(3)自然の美しさの表現及び(4)正月などの年中行事との関わりがあります。

平成29年11月16日、「ぶんぶ庵」さんにおいて、懐石料理を食する機会を得ることができました。懐石料理は、和食の中でもとくに、茶の湯の心、季節及び物語性を感じさせるものですので、「食」であるとともに「アート」であると感じました。

和食にとって最も大切なものは、「だし」であるとのことです。厳選された昆布とかつおのハーモニーが独特のうまみを出し、個々の料理のベースになっています。料理に使う器や素材は、全て季節や物語性を感じさせてくれます。それでは、個々の料理を何点か直接見て頂きたいと存じます。

お吸い物ですが、ゆずの香りとやまいもさっぱりしておいしいのですが、蓋の器の裏面を見てください。季節感のあるシンプルな絵柄ですが、漆を50工程も塗り重ねた蒔絵だそうです。

これは器の素朴さと柿の葉をみせつつ、栗などの素材を生かして季節感を表現していることが感じられます。

この器を見てください。秋深まる季節感を感じさせるとともに何とも言えない鮮やかさです。

もちろん、焼き魚、たしか鰆だったと思いますが、とてもおいしかったです。味をうまく説明できていない点はご容赦ください(笑い)。

以上